7/3(日)「入管と技能実習制度の人権問題」分科会開催に向けて

みなさんの記憶にも新しい、昨年3月に名古屋入管の収容施設内で亡くなったスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさんのニュースは衝撃的でした。亡くなる1か月ほど前には満足に食事も摂れないほど衰弱していたにもかかわらず、入院させることもなく点滴を打たせることもなく適切な医療措置を施さないまま放置しました。これは、少なくとも不作為の殺人といえるのではないでしょうか。

しかし、これは氷山の一角にすぎず、毎年のように入管施設では死者が出ています。その劣悪な処遇のために被収容者が自殺を図ることも少なくありません。


また、仮放免という形で入管施設に収容されていなくても、働いてはいけない、県をまたぐ移動には許可が要るなど、様々な権利が制限されています。


現在ウクライナからの「避難民」の受け入れについてニュースになっていますが、そもそも「難民」として受け入れられるハードルが高すぎて、難民認定率が低いという問題があり、入管制度には多くの問題が山積しています。



コンビニで外国人がレジに立つ姿は今や珍しい光景ではなくなりました。外国人の労働力はもはや日本の経済にとって、わたしたちの日常生活にとって不可欠の存在であることは間違いありません。


しかし、外国人の労働は実は日本では正面から認められているわけではありません。その抜け道が外国人技能実習制度です。


技能実習生を取り巻く労働環境は、極めて深刻で、時給300円、月200時間を超える残業、労災隠し、殴る蹴るの暴行、セクハラや性的暴行、妊娠・出産の禁止、受入事業者による違法な強制帰国、パスポートの取り上げなど重大な人権侵害が生じています。


まさに、「現代の奴隷制」とも言われる所以です。国内外から人身取引の温床となっていると指摘されています。



入管や技能実習制度の問題はともに、外国人をまさに「使い捨て」、対等な人間として扱わないという点で共通しています。そこで、本分科会ではこの2つの問題を取り上げることにしました。


当分科会では、弁護士・支援団体の方をお呼びして講演していただき、入管や技能実習制度の実態、それが生じる背景・原因にも迫ります。


そして、当事者に寄り添うことに加え、そこからもう一歩どのように踏み込んでいくか、この問題をどのように解決させていくか実際に活動してらっしゃる方々のお話を聞くことで、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。



【日時】令和4年7月3日(日)17時~

【講師】指宿昭一 先生(弁護士)、鎌田和俊 様(BOND事務局長)

【参加申込みフォームはこちら】

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSf-T0KrvctYqAOXbHW0Cji6sDmxbsl33uk62tktgce_5fB--w/viewform

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